ゴミ拾ったりボランティア活動をするのにほとんどの人は大学に行ったりしない。でも経営となると色んな本を読んだり、セミナーに行ったりと勉強をして勉強をして・・・むしろ勉強すればするほど色んな事を考えないといけない事に気づき更に難しく感じる。
本日の記事は、企業経営とボランディアの違いを知れば本質的に企業経営で何を頑張らないといけないのかが少し簡単に見えるようになるのではないかと思い書かせってもらった。
最近私は、農業を行うようになり年に1度しか売上が立たないという非常にシンプルな経営を通して経営がシンプルに見れるようになった。
※これについて詳しく書いている記事が「農業から学ぶ、利益の上げ方」があるのでこちらもご覧ください。
経営とは「PL」「BS」「CF」からなり、みなさん黒字化まではまず「CF」を見ながら継続できる状態を確認しつつPLを強化していき、営業利益1億円近くになると「CF」を見ながらビジネスモデルを徐々に営業利益率を高くして規模拡大に伴い会社の安定性を増す様に「BS」を強化していくと思う。
初期に大切な「PL」強化には「商品(サービス)力強化」「集客力強化」「売場力強化」「接客力強化」などの業績アップが必須だが、それらを強化する裏側では業務効率やマネジメントなど様々なことがここに絡み合ってくるので複雑極まりない。これらを高速PDCAを回しながら徐々に会社を強くしていくのだが・・・
ここまで自分で書いていてもアルファベットの羅列や1つの単語の中にかなりの要素が含まれており何を言ってるのか一切伝わらない自信がある。
ただ本当にシンプルに考えるなら、何度か話しているが企業経営とは・・・
「人の役に立つ」これだけだ。
この事は昔から凄いなぁと思う人たちから複数回、教えてもらっていたが、やっと論理的に理解して自分の言葉として使えるようになった。
江戸時代に、海で取れた魚を100匹持って山に持っていき、山で山菜150袋と交換して、それをまた海岸の村に持っていき魚200匹と交換する。
この時に山の人々からは、長い距離を歩かなくても魚が食べられるので喜ばれ、海岸の人々からも同じ理由で喜ばれている。
ここで提供している価値とはつまり「物流」なのだ。
そして、その喜んでもらったお礼として1往復するだけで、初めの100匹の魚が200匹に増えたのだ。
それが分業化することにより、小売店と物流会社に分かれだした。
この時に物流は価値を出してるのは分かり易いが、小売業は昔のやり方では価値がなくなるので「選ぶ」という事を代行する事により新たな価値を生み出してきた。
しかし、それが今はネットの出現により、お客さんが簡単に選べるようになり、そこの価値が薄れてきている。
もしも今、自分の事業が儲かりづらいと感じているのであればそれは・・・あなたが行っている事業が『価値がない』と教えてくれているサインなのだ。
この事実を『受け入れ』なければならない。
『受け入れる』とは『諦める』や『否定する』という意味とは異なる。ただ次を考える為の合言葉に過ぎない。
そして、その事実を受け入れた上で次の1手を考えるのだ。
お客さんが喜ぶようになるにはどうすれば良いか?
具体的に1つの例を出そう。
私が運営しているフードロス削減の為の通販サイト「トクポチ」というサービスがある。
これは、賞味期限の近い商品を60%OFFから販売して毎週10%OFF強めていき、1ヶ月後には100%OFFつまり無料で商品提供するというサービスだ。
運営費は会員さんからの会費でまかなう為、小売業としての中間マージンは取らないというビジネスモデル。
この事業は、食品メーカーさんからすると廃棄していた商品が現金化でき、会員さんからするとお得に社会貢献ができるという役に立つ事業としてスタートした。
しかし、これは丸1年行っていまだに赤字事業。
その原因は、明確で商品のラインナップが少ない。
オープン当初は30商品しかなかったがなんとか現在は常時130〜150アイテムから商品を選べるようになっているのだが・・・それでも少ない。
この事業に我々がどれだけの志を持っていようがお客さんにとって見ればそれも加味した上で赤字という事実を突きつけてくれている。
つまり、このサービスには総合的に「価値はない」ということだ。
ただ、サービスの全てが無意味なのだろうか?
そこで私がたどり着いた結論は毎週値下げという所に価値は無いという仮説が浮上してきた。
この仕組みを、賞味期限が1ヶ月以上の期間残っている商品に関しては1ヶ月1度10%OFFが強まると変更すると現在の商品調達力のままで、お客さんは約500〜1000商品程度から選べることになる。
※ちなみに、上記サービスは12月から実装予定。
実は現在会員さんの20%が非常に多く複数購入して頂いており、残り80%のお客さんからするとほとんど購入すらできていないサービスになっている。
つまり、フードロス削減に貢献しつつ、お得に買い物したいという会員さんは存在するのでこのサービス自体に価値がない訳ではないが、毎週商品をチェックして
お目当ての商品をゲットする競争に参加できるのは全体の上位20%であり、80%の人からすると無価値なのだ。
自分のサービスが無価値だと受け入れるのは非常に覚悟がいる。
ただ、あくまでお客さんに対して喜ばれる為にどうすれば良いかということを考える合言葉として捉えれば非常に優れた言葉だと思う。
「無価値」という強烈なキーワードを使う事により自分や社員の命(時間)を使って、誰にも喜ばれない業務を行わせていると捉えると一刻も早く改善したくなり、行動に移しやすいのもポイントだ。
ここでようやく題名に入れるのだが・・・
企業経営とは、人々の役に立つことであり、その点では本質的にはボランティアと全く一緒だ。
ただ、ボランティアは企業経営と違うのは「人時生産性」を追求しなくても継続できる点。これだけである。
「人時生産性」とは1人あたりの粗利額のことを指すが、これを別の言い方をするのであれば、「同じ時間を使ってどれだけ多くの人を喜ばせられるか?」ということ。
そして、経営とはこの「同じ時間を使ってより多くの人を喜ばせる」ということだけを考え続け、他の企業よりそれが上手ければ利益が出て継続できる。
もしもそれが出来ないのであれば、それはもっと得意な人に任せて自分達が人より「人を喜ばせられる」別のことを探せば良いだけだ。
この事だけを1番大切にしていれば、自ずと業績はついていき冒頭で述べた様な小難しい事も意識せずに解決していく。
今のあなたの事業は「人を喜ばせているますか?」「同じ時間を使ってより多くの人を喜ばせる余地はありませんか?」現状を受けれて次の一手を考えるきっかけになれば幸いだ。