いきなりではあるが、会議で商品価値を高めようとなった際に、元々販売している商品の価格をみなさんはどうするだろうか?
価格を上げるのか?
価格を下げるのか?
よく安易な値下げはその商品の価値を下げるのでやってはいけないと言われている。
実際に商品価格を10%値引きして販売すると、購入するお客さんからすると10%安くなっただけだが、販売する側からすると営業利益ベースでは赤字になる可能性すらある。
売価は営業利益と直結するという言葉があるが、はじめて聴く方やピンとこない方は以下を見てほしい。
【小売業のざっくりPL】
《通常時》
売上 100円
原価 70円
販管費 25円
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営業利益 5円
《↓↓10%値引き時 ↓↓》
売上 90円
原価 70円
販管費 25円
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営業利益 ▲5円
《↑↑10%値上げ時↑↑》
売上 110円
原価 70円
販管費 25円
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営業利益 15円
→原価や販管費が変わらなければ、営業利益は通常時の3倍になる。
上記の事を理解している人は売価を10%変更することが以下に営業利益にインパクトがあるか分かっている為、
簡単に値引きをしないし、10%値段を高くしてもお客さんに満足してもらう為にはという事で付加価値を付けたり、満足してくれる人に販売できる新たな販路を探したりする。
※私にとって高級車などは価値がないので購入しないが、人によっては価値がある。つまり、人によってその商品の妥当な価格が違うのでなるべく高く購入してくれる人を探すのは有効的な手だろう。
つまり、「これからは更に商品価値を高めていこう」となった場合は多くの人が価格を上げるか下げるか2択を迫られた場合は上げるだろう。そして、それでも満足してもらえる方法を考える。
ただ、これは資本主義的な考えだ。
ここでいう資本主義とは、なるべく安く買って、なるべく高く売るゲームと理解して欲しい。(本質的には違うが)
違う言葉を使うなら、企業側の考えでありお客さん側の考えではない。
ブランド物など価格が高い事にステータスを感じて価値を感じる商品以外で言えば、価格は安い方が良いに決まっている。
そもそも働くとは、「傍(はた)を楽(らく)にする」ことであり。
お客さんが自分で1からその商品を手作りしようと思うと莫大な時間がかかってしまう所を企業が代わりに作ってあげるから、その楽になった分を売上としてもらえる。
つまり、企業とは本来お客さんをどれだけ楽をさせてあげるか?ここの追求をしなければならない。それが働くという事なのだから。
この考え方に立つと、価格を下げれば下げるだけ商品価値はあがるという事になる。
ただ、企業は存続しなければならない。つまり儲けなけえればいけない。
つまり、企業とは価格を最安値で販売しても利益を残る工夫をする事が働くということなのだ。
※ここでいう最安値とは、同等の価値の商品の中で最安値という意味であり、安かろう悪かろうの商品ばかりを製造や販売する努力をするという意味ではない。
そして、もしも最安値で販売すると一切儲からないのであれば、その商材やサービスは供給過多という事であえてあなたが命(時間)を使って販売しなくて良い商材・サービスという事になりあなたが売上をあげると悲しむ人(競合)が出るだけで、お客さんにもそこまで喜ばれていない事になる。
一生に1回の人生をそんな事の為に使わなくて良い。きっと他の事で人の役に立てる事があるはずだから。それを探す方がよっぽど価値のある人生になるだろう。
私はこういった考え方だからこそ、なるべく安く販売する為に1番簡単な方法は商流(メーカー→卸→小売店という流れ)を縮めることであり、その最も川上である一次産業の農業に参入した訳なのである。
実際に私が作っている作物から作るパーキンソン病のサプリメントは1ヶ月分のネット上での価格は安い所で5,000円なのだがそれを3,000円で販売しているので、何もしなくてもドンドン売れていき原材料の供給が危ういくらいだ。
この考え方をすると経営が非常にシンプルになる。
経営を頑張っている時点で何か間違っている合図である。
頑張らなくても上手くいく市場(商品やサービス)を頑張って探す事。
ここだけに全ての力を注がないといけない。