私は、空いてる時間を見つけてムクナ豆と言うパーキンソン病のサプリメントの原材料になる豆を育てている。
この豆は、最近パーキンソン病への効果を確認できたこともあり、国内で作っている農家が極めて少なく
既に私が、作付面積において日本最大のムクナ豆農家になったくらいだ。
この豆を育てる為に、約2mの鉄パイプを脚立に乗った状態にて金槌で地中に打ち込むと言う作業があるのだが・・・
この鉄パイプを真っ直ぐ地中に打ち込むのがむづかしい。
パイプの打ち込まれる面と金槌の打ち込む面がフラットになる様にいくら調整してもなかなか、地面に対して直角に打ち込むことが出来ない。
そんな事を繰り返しながら、1,000本以上のパイプを打ち込んだ辺りで、あるコツを掴み真っ直ぐ打ち込めるようになった。
それは、パイプをおヘソの真正面10〜20㎝の所に置いて打ち込むと言う事だ。
これさえ守っていれば、金槌の打ち付ける面が斜めになっていようが、適当に打っていようが真っ直ぐ打ち込まれる。
それまでは、握力を駆使して、金槌の打ち込む面がフラットになる事に全集中していたのに・・・
本当に適当に金槌を振り下ろしても嘘のように真っ直ぐ打ち込まれる。
これにより、綺麗に打ち込めて次の作業が楽になるだけではなく握力の消耗や集中力の消耗も大幅に軽減された。
そして、このおヘソの正面でパイプを打つと言う事を実現しようと思うと、実は脚立の置く位置で全て決まることに気がついた。
私が本来全集中しなければならないのは
『金槌の打ち付ける瞬間の面の角度』ではなく・・・
『おへその真正面にパイプを置く』でもなく・・・
『脚立の置く位置』だったのだ。
つまり、コツとは特に集中もせずに誰でも簡単に再現性を持てる為のポイントであり、努力しなければ習得できない時点でそれはコツではない。
ここで少し話は変わるが・・・
『神は細部に宿る』と言う言葉が存在する。
これはまさしくその通りだと思う。
しかし、これはコツを掴んだ先の話だと思う。
つまり、コツも掴んでいない人に細かい指導をしても、コツを掴む妨げにしかならないだろう。
その人に1つの事だけ伝え続けて1番成長する言葉はなんなのか?
これを見つけることが出来れば、その人は成長するのだろうがこれを見つけるのが非常にむづかしい。
その人ごとに、またその人のタイミング毎に、何を伝えれば1番成長するかは変わるからだ。
人を育てるとは教えることではなく、その人のことをその人から教えてもらうことなのかも知れない。
※そもそも人を育てるという時点でおこがましいことなのだろうが。。。