営業嫌いな私が、営業を好きになった時給60万円のサンタクロース営業とは

2020.11.19

前回の話(私はこうして営業が嫌いになりました。)で、私がどの様に営業というものを嫌いになったかについて話させて頂いたが
本日はそんな私が営業と言うものを誤解していたことに気づき、その素晴らしさを知った時の話をしたい。

私が新卒で入社したコンサルティングファームにて、生意気だった私が会社内で島流しをくらっていた頃の話だ。笑

当時、私はネットショップの専門コンサルタントとして仕事をしていたのに・・・
大阪で住んでいたのに・・・

なぜか東京の環境系のコンサルグループにぶち込まれていた。笑
毎月2回東京の会議に始発と終電の新幹線で日帰りをして、東京の人からはなぜお前はここにいるのだ?的な目線を感じながら・・・

※まぁ今考えると、当時の私は組織のことを考えず自分のことだけを考えていたので、仕方のなかった仕打ちだ。
とは言え業績を上げられるかどうか?模索していた頃なので自分のことで精一杯だったのも事実。避けられない道だったのかも知れない。

ただ、この島流しは2つの良いことをもたらしてくれた。

1、東京配属になってもネットショップのコンサルは続けさせてくれた
2、新卒のペーペーなのに取締役と一緒に仕事ができた

1に関しては、勝手に私がしていたと言うだけのことがだが。笑
昼間は自分が所属している部署の仕事を行い。
夜中は元々のネットショップのコンサルの仕事を行うと言う風に最低限のことを行っていれば夜中の過ごし方までは指示されなかった。

そして2については、その部署の仕事を手伝うにしろ、あまりに異色の、また直ぐにどこかに飛ばされるか分からない奴に仕事を教えても時間が無駄なので、あまりみんなから仕事(コンサルティング)が回されず雑用ばかりだった。
結局そんな状況を見かねた、部長が自分の仕事を回してくれた。

そんな仕事の1つが、キャドソフトにて世界シェアを誇る企業の案件だ。

その会社は2次元キャドというジャンルでは凄いシェアを誇ってるが、3次元キャドという分野では競合に遅れをとっていた。
そこで本国からの指令で、これから伸びそうな環境分野の中小企業に対して、自社の全製品を100社にプレゼントして、お客様の声を集めろ!というキャンペーン。

日本支社も1年間、そのキャンペーンの為に動いたが・・・1社にもプレゼントできず本国から怒られていたそうだ。
1社にもプレゼントできなったのには、訳がある。

プレゼントされる会社は自分の必要なソフトだけ貰えば良いのだが、もしも仮に1社が全てのソフトを貰うと金額にして2,000万円を超えるので、
各社怪しんで誰も受けとらなかったのだ。

そこで、日本支社の方が考えたのが私の所属しているコンサルティングファームのホームページにバナー広告を貼ろうということだった。

先方は、バナー広告を貼るだけで毎月50万円支払ってくれようとしていたが・・・
部長は気前が良く、バナー貼ってもアポイント取れないでしょう。

アポイントまで取りますよ!と言い契約を結んだ。

もちろん、そのアポイントを取るのが私というのは言うまでもない。
世界的企業の人たちが1年間かけて1つもアポイント取れなかった案件を毎月10個取ると言う契約なのだ。

しかし、私はアポ先に上記の事情を全て説明して、だから第三者の私が代わりにアポイントを取っていることも正直に伝えたら・・・

アポが取れる!取れる!

10件のアポイントは45〜50分で取れてしまうので。毎月1時間だけアポイント電話の時間を取るだけでこの仕事は終わった。

時給に換算すると60万円以上の仕事だ。

そして、何が嬉しいかというと、キャドの日本支社の方にはじめの10社のアポ先を共有した時
大喜びを通り越して、アゴを外すしたかのようなポカンとした顔していた。2回目3回目のアポイントを渡す頃に
やっと、遅れてきた喜びを伝えてくれた。

さらに、アポイントを取った先の企業の社長の大喜び。
それはそうだ。

約2,000万円分のソフトがタダで貰えるのがから。
(もちろん利用者インタビューには応えないといけないが)
※厳密には完全に無料にすると分厚い書類を作成しないといけないので1万円だけは支払ってもらっていたが。

この時の感覚は完全にサンタクロース。

ただ単純にサンタクロースが子供達にプレゼントを配って喜ばれるだけ。

そんな仕事をしている感覚だった。

そして、私の営業に対する捉え方が変わった。

商品を売りつける
商品を買ってもらう

これらの言葉は当てはまらない。

語弊を恐れず言うならば・・・

『売ってあげる』

そして、この売ってあげると言うスタンスだとしても・・・
それでも喜んでくれる人を探すことや
その価値に気づかせてあげることが営業の本当の仕事なのだと理解した。

江戸時代の人に、100g3,000円の大トロや和牛を100g100円で販売しても喜ばれない。
しかし、今の時代ならそれはサンタクロース状態だろう。

キャドにしろ、大トロにしろ、その商品の価値は一切変わっていないのに。

渡す人や伝え方で価値が変わる。

とても素晴らし仕事と言うことに気づかしてもらえた。

島流しも悪くないものだ。

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