儲からない農業を変えるのは農機具レンタル?

2020.09.01

本日は今私が進めている農業について少しお話ししようと思うが
ぜひ農業に興味のない方にも読んで頂きたい。

それは『儲からないビジネス』をどのように『儲かるビジネスに変えるか?』と言う話だからだ。

その前に農業がどれくらい儲からないかと言う話をしよう。

あくまで私も色んな農業関係者にヒアリングしながらの情報なので断片的であり農業の全てを把握できている訳ではないが
少なくても事実ベースとして今から話すような人が存在すると言うことだけ捉えて頂きたい。

【比較的儲かると言われているトマト農家さんの場合】
・初期投資1,000万円のリスクを背負って
・1日10時間×330日働いて年収150万円
・夫婦で働いて年収300万円になりなんとか食べていける

※上記はJAに卸している農家さんの場合だ。
直接販売を行なっている農家さんはもっと年収は高い。

【2,000坪の面積を兼業で行なっているお米農家さんの場合】
・初期投資600万円〜1,000万円のリスクを背負って
・売上が45万円で経費が25万円年間の利益は20万円
・ただし、米農家さんは作付けと収穫時期は集中的に忙しいがその他のシーズンは比較的手間がかからないそうだ。
・この20万円の利益で初期投資の借金を返さないといけないので利益は一切ない。
・自分で育てたお米が食べられるメリットと先祖代々の土地を守るために育てている。

※これもJAに卸している農家さんの場合だ。
※本格的なお米農家さんは上記の面積の最低でも5〜10倍は育てている

上記の話は、私自身にわかには信じがたかった。
これが本当だとしてら、農家さん=修行僧なのかと思ったくらいだ。

しかし、この様な話を良く聞いているうちに私も徐々に農業とはそんなものなのか?と思うようになってきた。

ただここで既に感の良い人は気付いたと思うのが・・・
なぜこんな儲からない構造になっているか?
各ケースに必ず出てくる名前

そう。
JAだ!

作物によっても異なるがスーパーに並んでいる作物の値段が100円だとすると
JAに農家さんが卸す金額が約33円程度。

これが儲からない原因になっている。
さらに、JAからスーパーの棚に並ぶ為には以下のように4つの商流を経由する。

農家さん→①JA→②市場→③1次問屋→④2次問屋→スーパーマーケット
※最近ではこの商流を減らす動きは出てきているがまだJAを通した上記商流のウェイトが大きい

ここまでの事実を見ると・・・JAやその他、中間流通が農家さんを苦しめている諸悪の根源のように映ってしまうが
それは違うことだけは明確に伝えておきたい。

色々ヒアリングしていると、それぞれが存在するにはそれなりに理由があり
お互い持ちつ持たれつの関係なのだ。

【中間流通ごとの役割】
JA=農家さんにとっての売先の確保もあるが金融や保険の役割も非常に大きい
市場=時期により地域ごとに取れる作物がおこなるのでスーパーの品揃えをなるべく均一にする為には必要
1次卸=スーパーにとっての金融の枠割
2次卸=末端への物流

JA以外の中間流通が本当に必要か?と言う議論はさておき
私の結論から言うとJAは今の農家さんを守る為には絶対に必要だ。

それは何故か?

農業を始める際に必要なトラクターなどを用意する初期投資のお金を銀行がなかなか貸してくれないからだ。
銀行からすると、天候の絡む農業は収益性が専門外過ぎてお金を返せるのかどうか一切わからない為、お金を貸すことはできない。

その中でJAは農家さんの為にリスクを背負ってお金を貸している。
もちろん、取りっぱぐれることもあるので商流として間で利益を得ることによりそのリスクを分散しているのだ。
※金利でリスク分散すれば良いだろうと言う意見もあるだろうが、農業の収穫高は1億円の翌年は0円なども全然ありえる話なのだ。つまり金利でリスク分散しようと思うと途方も無い金利になってしまう。

そこでJAはお金を貸す代わりに、安くで作物を卸してね。と言う形で商流に入っているのだ。

つまり、既存農家さんの件数を守る為にJAはお金を貸すが、そのせいで農家さんは構造的に儲からない形に追い込まれている。そして、新規の農家さんを受け入れ辛くしている。

ここでやっと本題に入れる。

そんな儲からない農業で私はどうやって儲かろうとしているのか?

今私が作ろうとしているのは、国産生産があまりされていない原料を使ったサプリメントの原料を作ろうとしている。

しかも自分の支援先(クライアント)へ卸す用の作物を作るので上記の商流は一切使わずに
契約農家として売先を確保した状態でスタートするのだ。

さらに、国内生産があまりされていない為。本当に日本で再現性を持って育つのか分からないのとその会社くらいしか買い取り先がないので安定的に仕入れてくれるのか?という不安から契約農家さんがあまり増えないので、かなり良い条件で買い取ってもらうことになっている。

そこで現在、本格的にその作物を作っている数少ない農家さんや農業試験場の方などに育て方を教えてもらいながら農地を探している所なのだが・・・

私はまず3,000坪の面積を1人でスタートする予定だ。
理論上は1人で育てられる。

しかし、3,000坪を作付けするだけでも作業時間で2,000時間かかる。
※この2,000時間とは素人だから2,000時間かかるという意味ではなく農業法人として家族以外の人を雇い海外の技能実習生なども雇っている農業のプロで2,000時間かかるという意味だ。

私が育てる作物は作付けだけ手間がかかりあとは手間が掛からないので日雇いの人を雇って忙しい時期だけお願いするという方法を考えたが200万円以上かかり収支が合わない訳ではないが、新たに作る土地での収穫高が確定していない状態で危険なので自分一人だけで行うという腹を括った。

また、いきなり人を雇うと業務効率できないと考えまずは自分1人でこれ以上業務効率できない状態まで持っていてから人を雇う予定だ。

そして私が考える、1番の業務効率は・・・
物理的に生き死にがかかっ時に人は本気で頭を使うと信じているので
まず、自分を生死の境まで追い込むことに決め1人でやりきることにした。
つまり、自分の奇跡にベットしてプロの作業時間を500時間でも短くできればと考えた。

そこまで腹を括っても現在のコンサルの仕事をこれ以上増やすと本気で命の危険がでてくる。
また、コロナの影響でネットショップの市場が盛り上がり5月〜7月の3ヶ月だけでも新規のコンサル依頼が13件来たがその全てを断り農業の時間確保に当てた。
(コサルティングファーム時代ですらこんなに新規の依頼は来たことがないので完全にバブルだが私はその甘い蜜を吸うことなく生死をさまよう為に淡々と準備を進めた・・・)

そして私が初めに行った業務効率は、既存の作業をどこまで機械化できるのか?ということである。

昔に関わりのある農機具の販売店に連絡をして作業項目ごとに機械化できるものはないか?
その際の3,000坪を作付けする時の所要時間はそれぞれ何時間か?

1時間ほど電話したあとで試算された作業時間は・・・
なんと、500時間

農業のプロが2,000時間かかっていた作業が1時間後には4分の1

農業のプロがこの様な機械を知らないはずはない。
ではなぜ機械を使わずに2,000時間もかけたのか?

その答えは、その農業法人さんには農機具を購入するしか選択肢が無く。
私が育てようとしている作物を育てるのが今年が初年度だったからだ。
実際に育てられるか分からない作物用の機械をいきなり購入するのが怖かったのでまずは人力だけで作付けしていたのだ。

この事実を知った瞬間に私は農業の可能性を感じずにはいられなかった。

農機具をレンタルすれば凄く面白いことが再現性を持ってできるのではないだろうか?

儲かる農業を行う為のポイントは大きく以下の2つ。
①ニースがあるが国内生産があまりされていない作物を育てる
②なるべく中間流通をカットする

農機具をレンタルすると初期投資があまり掛からないので気軽に、育てられるか分からないハイリスク、ハイリターンの作物にチャレンジできる。
さらに、JAから初期投資のお金を借りていないので中間流通を省き直接販売できる。
※もちろん、これ以外にも農業が儲からない要素はあると思う、気候に政治など
しかし、ここで話しているのは自分の力だけで変えることができる話をしたい。

私はこのブログにて、1つの限られた現象の話をするつもりは一切ない。
ここで記載している時点で汎用性の高い話しかしない。

上記で私は何を伝えたいのか?

キャッシュフローをいじると、ビジネスモデルを変えることができるということだ。

最後の1行だけ伝える為に長々と本日も話してしまった。

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