正しい社員数の増やし方

2020.07.22

先日のブログで、どんな不況が来ても社員の雇用を守れるような会社の方が強い組織などだがそんな綺麗ごとのような経営を現実にするには家庭のお金の使い方がヒントになるのではないか?

とお話しさせて頂いた。

リーマンショックの時に多くの会社がリストラを行い。
それでも耐えられず倒産した会社は数多くあった。

ただ、そんな中でも不況が原因で子供を捨てた家族は本当に少ないのではないだろうか?

つまり、このお金の使い方を参考に経営をするば、強い会社が作れるはずだ。

企業と家族の違い?

それは、『子供がお金を稼がない前提で、今の収入なら何人までなら子供を育てられるか考えている』

ここに尽きるのでは無いだろうか?

5歳のの子供に対して『こいつまだ全然稼がへんなぁ〜』とボヤく親は非常に稀だろう。
しかし、入社して5年経って1円も会社に貢献しない社員がいたらそれは大変なことになるだろう。

家族も企業も同じ組織であり。
本質的なことは普遍的で万能なものである。という前提にたった際に、家族の時の考え方と企業の時の考え方が違うということは
どちらかが間違っているか?どちらも間違っているかの2択しか存在しない。

それでいうなら、リーマンショック時に組織が崩壊する確率から考えるならこの人の増やし方においては『家族』の考え方の方が結果を出していることを認めざるおえない。

しかし、企業にとって稼がない人を雇い続けることは非常に困難だ。

ただ、こう考え方を変えればどうだろうか?

【これまでの考え方】
売上を上げる為に人を増やす

【これからの考え方】
営業利益が上がったから人を増やし。
その人が稼ぎだしたら、さらに追加で人を増やす。
ただ、新たに雇った人が稼がなければ人はそれ以上は増やさず。
現状の人数でどこまで営業利益を増やせるかにチャレンジする。

これなら、稼がない人の割合は一定に抑えられさらにその人が生涯稼がなくても会社は存続が可能になる。
※とはいえ実際には少しでも早く戦力化してもらうように、教育や環境を提供することになるだろうが。

と・・・・ここまでは概念的な話をさせてもらった。
この考え方で経営している会社も多いだろうが、おそらく去年までの5年間は各社、人さえ採用出来れば売上が上がりさらに儲かるという業界が多く
少し忘れがちの会社もあったと思うのでこのタイミングで書かせてもらった。

ではここからは少し数字の話をしたい。

労働分配率についてだ。
労働分配率とは、付加価値に対する人件費比率のことだ。

※ここでいう付加価値とは粗利と絶対に一緒になるとは限らない。
例えばネットショップなどの場合は、物流コストや広告販促費などですら変動費的に動くので、売上から商品原価だけではないその他の変動費も引いた金額を指す。

様々な業界ごとの労働分配率とみていくと40〜60%の中に落ち着く。
労働分配率は業界によって異なるが・・・業界平均に甘んじては絶対にいけない。

労働分配率が低いということは言い方を変えれば・・・経営者が社員に給料をあまり払っていないことになる。
つまり、仮に月収40万円の人が2人おり、Aさんは労働分配率60%でBさんは40%だった際は本来Bさんはもっと給料をもらっても良いような働きをしてると取ることができる。

しかし、どちらも8時間労働だった場合。
会社として、Aさんを有効的に活用できていないのでは?という考え方もできる。

つまり、年収が世の中より高くそれでいて労働分配率を下げるようなビジネスモデルを作ることができれば
それは、経営も安定して社員も満足できる夢のような会社になるのでは無いだろうか?

ちなみに、東京でいうなら年収600万円が1つの基準になる。

アメリカの大学教授がいうには、一定の年収までは年収があがる度に幸福感が増すが、ある年収を超えると幸福感が横ばいになるそうだ。
その理由は、一定の年収までは年収が上がる度に出来ることが増えるからである。

毎週外食ができる。
年に2回旅行にいける。
車が買える。
家が買える。などなど

しかし、ある一定の年収を超えてしまうと、出来ることはあまり変わらずグレードが上がるだけなので幸福感の上昇はあまりみられないそうだ。

グレードとは?
外食が高級料理になる?
国内旅行が海外旅行になる。
車が高級車になる。
家が豪邸になる。などなど

そして東京でいうならそれは600万円になるそうだ。
地方都市はそれを70%の420万円で考えてもらえば良いだろう。
※厳密にだしたい方はご自身の住んでいる場所と東京の平均所得等で比べれば良いと思う。

つまり、社員の平均年収を600万円以上にして、労働分配率を極限まで下げるビジネスモデルの挑戦が必要だということだ。

この夢物語は出来る出来ないはさておき、どの会社も追い求めないといけない。
それが、社員の幸せと会社の安定の二つを手にする道なのであるから。

次に、極限まで労働分配率を下げるというがどこまで下げれば良いのだろう?

ここで一般的な家計簿を見てみたいと思う。
以下の表は家計調査年表という国の調査結果から5人家族の平均的な支出に貯蓄などを付け加えたものだ。

この表から企業の人件費に相当する支出を完全に一致させるのは難しいが・・・
収入が減ったからといってあまり金額を減らし辛いものを人件費として色の編みかけがしている部分。

①食費
②水道光熱費
③家具・家事用品

この3つを人件費とするなら労働分配率は23%になる。

この数字を調べて驚いたのが、私が以前勤めていたコンサルティングファームにおいてコンサルタントの労働分配率が23%だったのだ。
なぜこんな中途半端な数字を使っているのだろう?と疑問には思っていたが恐らくこの数字から来たのではないだろうか?
ただ、事務職などの給料もかかるので会社全体としては約30%程度だろう。

実際に、家庭の支出において、「衣類代」と「その他雑費」も人件費と見なすのであれば労働分配率はちょうど30%になる。

つまり、社員の平均年収を600万円(地方都市なら420万円)にし尚且つ、労働分配率30%以下になる様なビジネスモデルにしてもお客さんが喜んでくれる状態を作らないといけないということだ。

そして、企業の付加価値比率は絶対に年々悪くなるという特徴がある。
新しいサービスや商品は競合が少ない為高利益率になりやすく付加価値比率も高くなりやすい。
上記のことを踏まえると、最低でも10年に1度は会社の主力産業をモデルチェンジを続け、そのモデルチェンジの事業においては労働分配率20%を以下を目指さないと会社全体として30%を切ることは難しくなるだろう。

※インターネットが普及する前は、1事業の寿命は約30年であり、企業が30年経つまでに次の主力産業を立ちあげられれば企業はその先の30年を迎えることができた。しかし、現在は情報が容易に入手できることにより1事業の寿命は15年だろう。
そこから考えると上記の1事業が10年を過ぎたあたりから次の事業に着手する必要がある。

社長の仕事ととして最も重要なことは、この10年に1度の分かれ道を上手く歩むことであり、違う見方をするのであれば10年かけてそれを見極めることなのだろう。

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