私が半年準備していた事業を中止した理由

2020.07.02

本日は私が今年に入ってからずっと準備していた野菜の卸事業を中止した理由について説明しよう。

まずはじめに、なぜ私が野菜の卸事業をしようと思ったか?

これまでのブログを読んでいる方は(特に去年の世界旅行記)なんとなく分かるかも知れないが、自給自足の会社を作りたいというゴールの足がかりとして
野菜の卸事業をスタートさせようと思っている。

なるべく農家さんからは高く仕入れて、スーパーや飲食店などにはなるべく安く卸という儲からない卸会社を作ろうとしていた。
この儲からない卸会社はやはり、コンサルティングでは到底提案できない。

なぜなら、儲からないからだ。
コンサルはある一定の成功(儲かり)確率が担保されている提案しか提案しづらい。お客さんは成功に対してお金を払っているのだから。

なので自分で行うことにした。

そして、この卸会社おそらく、農家さん(仕入先)や卸先(お客さん)にとても喜ばれるだろう。
だから流通額は増えやすい。

そして、売先が安定した暁には、自分たちで農業をして高利益体質で農業をスタートさせようと思ったのだ。
(仕入先の農家さんが今から5年で引退ラッシュになるのもあるので次の担い手が農家の課題でもある)

私は農業の初心者なので、まずは自分の得意な流通から入り込み基盤を作ってから農家になろうとした。

餅は餅屋である。

さらにその後は、飲食店や加工品を作り6次化まで持って行く流れだ。

そこで私は以下の準備をした。

1、野菜に関わる商流ごとの利益率の把握
2、仕入れ先の確保の難易度や卸先開拓の難易度の調査
3、拠点候補地のリストアップ
4、市場規模の確認
5、競合のビジネスモデルの調査
6、独自固有の長所の考案
7、5カ年の数値計画の作成
8、銀行からの融資

1、野菜に関わる商流ごとの利益率の把握
実はこれに1番時間がかかった。
JAさんを使わないビジネスモデルでJAさんにヒアリングするのは気が引けたのもあるが、それ以外の各プレイヤーが全体像を誰も把握していないからだ。
まず、農家さんに話を聞きに行ったのだが育てる作物やJAの部会の所属しているのか?どうか?などで全然話がバラバラ・・・
元スーパーのバイヤーさんや居酒屋の経営者など色んな人にヒアリングした結果やっとビジネスモデルとしては成立することが確認できた。

※単純に既存のプレイヤーが存在する時点で成立するとは思っていたが、ビジネスモデルの安定を考えた上でも全て自社物流で行う予定だったのでそれでも採算が合うのか?という点で慎重になっていた。(コロナなどもヒアリングに足を運べないのもあり予定より難航したのもあるが・・・)

2、仕入れ先の確保の難易度や卸先開拓の難易度の調査
また、大切なのは農家さんが野菜を分けてくれるのか?
スーパーなどが仕入れてくれるのか?
この辺もヒアリングを行なった。

3、拠点候補地のリストアップ
次に国が提供しているあらゆるデータを1つのデータに集約させてた。
 
データの1
 1、例市区町村別作物別の出荷額
 2、1haあたり出荷額
 3、人口データ(増加率や外国人比率)
 4、気象データ

4、市場規模の確認
上記のデータからおおよその産地の目星をつけて、その産地ごとの市場規模の算出

5、競合のビジネスモデルの調査
これは言うまでもないが類似のサービスを既に行なっている企業の調査

6、独自固有の長所の考案
上記から出てきた類似サービスとの差別化を考えた。
ビジネスモデルが成立する時点で営業頑張れば継続は可能だろう。
特に、今から来る大不況下ではBtoBの新規事業はうまく行きやすい。
リーマンショックの2年後などは比較的各社うまく行った所が多かった。
理由は明確で、各社仕入先の見直しを行なっているのでアポが取りやすいからである。

しかし、実際にスーパーが直接農家から仕入れる所珍しくない現在においてただ商流を縮めますと言うビジネスモデルでは脆弱すぎる。

そこで考えたのは、完全委託販売だ。
スーパーは商品を売場に並べて、実際に売れた分だけ仕入れ代金を支払う形態だ。
これなら在庫リスクは一切なくなる。

しかし、この形態を行うと私の在庫リスクが非常に高まる。
そこで、売れ残った野菜を、漬物やドライ野菜にして再度販売する事を考えた。

さらに、ネット上にクローズのBtoB専門のネットショップを開設し、商品ページごとに生産者さんの顔写真とこだわりなどをまとめた記事を掲載し、さらにダウンロードしたらそのままポップとして使える物などを用意。

7、5カ年の数値計画の作成
私の作った事業計画のたたき台を以下に添付しておこうと思う。
※銀行から融資もらう為だけに2時間くらいで作った資料なので精度は気にしないで見て欲しい。

https://firestorage.jp/download/5d7476add987993f5b89c8940ceff311bf6bf465

8、銀行からの融資
こちらも融資は可能だと言う話まではもらっていたのだが・・・・

ここで本題に入ろう。

ここまで準備してなぜ、やめたのか?

今でも上手く行く自信はある。
実際に1つずつやることはこれまでに私がやってきたことばかりなのでやり切れるだろう。
(自社物流は自分ではやったことがないが・・・物流会社には2年ほど行っていた経験や物流会社専門コンサルの頼れる先輩もいるのでなんとかなるだろう)

しかし、シンプルではない。

やはり、シンプルなビジネスモデルほど実行力があり上手く行く。
シンプルなビジネスモデルでも絶対に人が喜ぶ物をいかに作れるか?

そして私の最終的な目的は自給自足できる会社だ。
いくら基盤を作る為とはいえ、本当に力を使わないといけないのは生産の方である。

また、基盤ができてしまうと逆に卸から生産への新規事業に舵を切りにくくなる。

やはり、昨年の世界旅行記も現在私が1人でコンサルティング(数人のパートナーは存在するが・・・)を行なっている身軽さがあるから実現できた。
これが社員数が増えた状態で本当に野菜の生産の研究にどれだけ時間を使えるだろうか?

と言うことで来年からまず1人でできる範囲で本格的に農業を始めることにした。
3年は売上が一切上がらなくても続けるつもりだ。

この売上が上がらなくても3年続けると言う覚悟は同時に質の追求に労力を注げる。

色んな種類の作物を育てそれぞれの研究を行い
3年後から本格的に人を雇いながら規模拡大をしていき

その状態でエンドユーザーの開拓にいくと単純に安く卸しても利益の残りやすい体質が作れる。

ただ、幸いにも既に私が育てた作物を買い取ってくれると言ってくれている社長も出てきている。
実は、その会社で作っているサプリメントのコンサルを私がしているのだが、その原材料を国内生産している所が少ないのでその原材料を私は作る予定だ。

つまり、間接的ではあるがいきなり6次化からスタートするという非常に面白い農業ができそうだ。

また原材料の生産からするコンサルタントがこれまでいただろうか?
この辺も含めて来年が楽しみで仕方がない。

ただ、農地を借りるのが非常にむづかしい。
現在、滋賀県の草津市から近江八幡市周辺で農地を探してるのだが・・・

年内はその土地探しを最優先に進めようと思う。

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