【はじめに】
本当に本日の記事は断片的な捉え方をすると誤解を多く産む可能性のある記事だ。
だからなるべく誤解のないよう丁寧に書いた為長くなってしまった。
だから、集中して読めない人も多いだろう。

従って、そんなにこの記事で刺さる人も少ないと思う。

それでも本当のことであり、大切なことなので書かせてもらった。

【本文】
『貧すれば鈍する』と言う言葉がある

人はお金が厳しくなると判断が鈍り、短期的な視点に陥り、誤った判断をし易くなると言うことだ。

この気持ちは痛いほど良くわかる。

特にこれからは、この過ちを犯しやすい時期がくる。

そこで本日は『正しい判断基準』について書こうと思う。

【正しい判断基準の2ステップ】
ステップ1、正しい判断をできる状態を作る(現状を受け入れる)
ステップ2、どれだけ多くの喜びを生み出せるか?

ステップ1、正しい判断をできる状態を作る(現状を受け入れる)
これは本当に難しい。

現状を受け入れるとはどう言うことか?

ここで今、会社経営をしている人に1つの質問をしよう。(会社経営をしていない人は自分の家の収支などに置き換えて欲しい)

今回の緊急事態宣言解除後でも売上が下がっている場合は、その売上が一切回復せずに2年続いても存続できるかどうか?

これは少しオーバーに聞こえるかもしれないが、要するに何が言いたいかというと、どれだけ悲観的な売上でも存続できるかどうか?

私はこれからリーマンショック以上の世界的大不況がくると予想している。
その根拠についてはここで述べるのはやめておく。
なぜなら、未来のことなどどれだけの情報を有していても、絶対など存在しない。

私は未来を当てたいのはではない。
私は会社を存続させたいだけなのだ。

ギャンブルではなく。
絶対的に会社を存続させようとした際に、最悪の状況を想定しておき、その準備をしていて何の損があるだろうか?

※ただ7月8月くらいから各社の四半期決算の数字が見えてくれば自ずと方向性は見えてくるだろう。

そして、上記の質問に現状のままでも耐えられると言う回答をした企業は本当に限らると思う。
ほとんどの、会社が現状の財務状況では現状のビジネスモデルを維持できないだろう。
※ネットショップなど一部の業種はむしろ売上は絶好調だが、そう言った業種は限られてくる。

普通ここで、やってしまうのは売上アップだ。
先日も書いたが苦しい時に売上アップを試みるのは確率の悪いギャンブルである。

苦しい時は

売上アップになりそうな事=『やった方が良いこと』を複数手を出し、結果的にどれもやり切れず、空回りして何も変わらないことがほとんどだ。
もちろん、中には上手く行く人もいるだろう。
しかし私は確率的な話においてギャンブル要素を排除した経営をするならの話をしている。

そして、優秀な経営者ほど自分なら上手く行くと思うだろう。
だから優秀な経営者ほどこう言う時に売上アップに走ってしまう。

事実私も昔、勘違いしていた頃は同じことをしていた。

しかし、個人や1企業の力では何もできない大きな流れは存在する。
そもそも、キャッシュが枯渇していくとどれだけ優秀だろうが選択肢を奪われる。
そして、どんどんジリ貧となり、さらに選択肢を奪われる。

だからこそ、現状を受け入れることが大切だ。

数種類のデットラインというものが存在する。

1つ目のデットラインを超える前に、挑戦中の事業を諦めると雇用を守れる。
2つ目のデットラインを超える前に、雇用に手を付けるとより多くの仲間の雇用が守れる。
3つ目のデットラインを超える前に、経営権を手放すと破産は回避できる。

このデットラインはどこなのか?

1番最悪なのは、決断をせずに知らず知らずのうちに上記のデットラインを超えることだ。

私はドライな経営をしろと言いたいのではない。
むしろ基本的に、組織論においては社員の雇用を守れる組織でなければ強くはなれない。
また、最近多くの経営者がこれから経営の仕方が変わる気がすると言う。

雇用という概念がなくなるとか・・・
外部パートナーを多く活用した変動費型の形になるとか・・・

しかし、私の意見は半分同意で半分異なる。

リーマン前後も同じようなことが言われていた。
終身雇用がなくなり、派遣社員を活用して変動費型の経営がアメリカから持ち込まれた。

しかし、私が思うに日本の高度経済成長の1因(全てでは無いが)の1つにこの終身雇用は存在する。
絶対に食いっぱぐれないという安心から、ご飯の為にただ人生(時間)を切り売りして働くのではなく。
生きている証を残す為により高度な仕事をしたいという感情を生まれさせた。
※上記の研究結果をアメリカ政府が複数の大学に研究させて導かれたそうだ。それにより日本の終身雇用がなくなったとか。

しかし、変動費型の経営を持ち込んだアメリカで、Googleなどの最先端企業は終身雇用まではしないものの社員の家族が会社までくれば3食全てのご飯は無料で提供するなどを行い。
食いっぱぐれることのない安心を与え、より高度な仕事ができる環境を作っている。

また、資本論で有名なマルクスも・・・
『企業の利益は社員の人数に比例する』と断言している。

マルクスは産業革命から約100年が経とうとしている時代に登場した人物である。
ちょうど今AIやロボットなどの新たなテクノロジーにより、働く人がいらなくなるのでは無いか?とささやかれていることが
産業革命の時にも機械に人の仕事は全て奪われるのではないか?と言われていた。

つまり、現在から100年後と同じタイミングを生きた人と思って良い。

そんな彼がなぜそんなことを言うのか?
産業革命により初めのうちはテクノロジーを積極的に取り入れて一人当たりの生産性を上げ、人件費比率の低い変動費型の経営をした会社が儲かった。
しかし、そのやり方を他社も取り入れ出した際には価格競争が起こり粗利率は悪くなり結局利益は残らなくなった。

つまり、テクノロジーは資本主義社会で戦う会社にとって参戦する為の所場代であっても利益の根元にはなり得ないと言うことだ。
テクノロジーでは出来ない人が行う仕事にだけ粗利が発生すると言うことなのである。

実際に日本でもリーマンショック後の3年は各社変動費型に比重を置いた会社が多く見られたがここ3〜5年はどうだろう?
結局、正社員や新卒採用に各社力を注いだのでは無いだろうか?

経営というやり方に答えはないとよくいう。

しかし、それは全ての会社が同じステージではなく時代によっても適した形は変わるからであり100年や300年単位での本質的なところは
変わらない部分は存在する。

その意味でも本質的には古くから日本に存在するウェッティーな組織が正しい。
それは日本が100年以上の企業が世界で見ても突出していることからも証明されている。

しかしここ3年に関しては完全に変動費型が生き残りやすい。
また、テクノロジーの地殻変動が収まる今から30〜50年も大きな流れは変動費型が有利になるだろう。
※ただ、日本の場合はここに人口減少という別の軸も加わるので世界の動きよりは変動費型へのふる振り幅は小さいと予測される。

上記を踏まえた上で再度聞こう。

今回の緊急事態宣言解除後でも売上が下がっている場合は、その売上が2年続いても存続できるかどうか?

この質問を実際には自分の会社には当てはまらないと思いたい社長は多いだろう。
だからこそ、この現状を受け入れるという工程が非常に難しい。

私はコンサルティングだけではなく実業も行なっている。
プロフィールを見ていただければ分かるように、過去に民事再生も行い。雇用に手を付けてしまうという過ちも犯している。

そんな、私が・・・
それでも断言できるのは、雇用を守れない会社は強くなれない。

この時点で、私の言っていることがどっちなのか混乱する人も多いだろう。

また、その話を現状の会社に当てはめると矛盾が生じる会社もあるだろう。
その時に上記の質問と向き合うことは容易ではない。

恐らく、そんな多くの社長は今雇用に手を出すか出さないかは未来の意思決定だと思っている。
私もそうだった。

しかし、絶対に手を付けてはならない雇用を検討している時点でそれは過去の意思決定の答え合わせにすぎない。
つまり、過去の意思決定のミスを受け入れることができるかどうかを問われているのだ。

このスッテップ1ではその受け入れるという事をしない限りステップ2に移行することはできない。

そして、私が言いたいのは既に私と同じように過ちを犯してしまっている人でもこれから先の未来は
どんな不況が来ても雇用が守れるような強い会社を作っていける。

これは何度も私が言っているが、組織論において、会社も家族も個人も全て同じであるし、同じであることだけが本質である。

その中で多くの日本の家族が今回の大不況が来ても子供を捨てることは滅多にないだろう。

家族でできていることが会社でできないはずはない。
つまり、会社における規模拡大のモデルは家族の人数の拡大を参考にすれば良いということである。

ステップ2、どれだけ多くの喜びを生み出せるか?

ここから本題にやっと移れる。
(しかし、上記の正しい判断ができる状態を作ることが出来なければこのステップには移れない)

ステップ1が非常に難しいがそれを終えた企業にとっては
次は攻めに転じる時である。

その際に何をするか。
既存のビジネスモデルを何も変えなくて良かった企業はそのまま突き進めば良いと思う。
しかし、何かしらビジネスモデルの変更や新規事業に着手しなければならなくなった企業に対してはこの判断基準は非常に重要だ。

まず、『自分のやりたいことをやらないということ』

この時点で私は多くの社長から嫌われるだろう。

社長とは自分のやりたいことを実現する為に、リスクを背負って社長になったのだから。

しかし、ここで忘れてはいけないことがある。

『生きるとは何か?』

この質問は私が昔、ある人からしてもらった質問だ。

その質問をされた時に、私はそんなことを真剣に考えたことがなかった。
しかし、その質問をしてくれた人は非常に尊敬している人だったので、この質問から逃げてはいけないと少し時間をもらい必死に考え以下のやり取りをした。

私:『成功とかは関係なく。挑戦し続けている時に生きてると感じるので死ぬ直前までチャレンジし続けたいです』
(学生までは多くの人が夢があるが、社会人になって多くの人が夢を捨てる。そういう意味でも死ぬ間際まで夢を持ち続けられる時点でこんな幸せなことはないと思ったからだ。)

仙人:『ややこしいわ!生きるとは食って寝るだけやろ』

私:『おぉぉ仰る通りです(恥)』

仙人:『そして、食べるとは命を頂くということや。朝起きた瞬間に昨日食べた命のおかげで今がある。つまり朝起きた瞬間、借金からスタートしてるんや。しかし奪った命を返すことはできない。だから1日かけて何かで借金を返すのは当たり前やろ。そして次の日の朝にまた借金からスタートするんや。そう考えると世のため人の為に生きるのは、良いとかそいう話ではなく当たり前やろ。だから我欲は良くない。』

この話は私にとって衝撃的であった。
よく、私は当時の部下や近しい人には損得勘定で生きなければいけないと伝えていた。
ただし、本当の意味での損得がわかるならね。と付け加えて。

つまり、先に『与える』ということをしているとその人からではないにしろ必ず自分にも返ってくるので、目先の損得は考えずに人の役に立つことを率先して行うのが人生においては1番得と考えていたからだ。
ただ、この時にどのようなメリットがありそうか考えてはいけない。
その人からは返ってこなくても良いのだから。
(恐らくこういった行動は一般の人からは損得勘定で動いていないように見えるだろう)

実際にそれまでの自分の人生は、上記の考え方でそれなりに上手く行っており、年を追うごとにこの法則はさらに確信めいていた。

私も世のため人の為に行動をしていた。

行動レベルでは、仙人のいう我欲を捨てて他人の為に動くという動きができていたと今でも自負があるが・・・
しかし、心持ちの所で次元の違う差を感じた。

この次元の差は恐らく目に見えないレベルで行動にも差がでるだろう。

そして、この時におぼろげに自分でも感じていたことが確信に変わった。

『自分のやりたいことをやってはいけない』ということだ。

私には完全に上手くいかなかったコンサル提案がある。
それは私が行いたいコンサルティングテーマに合致した企業を見つけて提案した時だ。

1社目は本業の方が傾いたのでそちらのコンサルティングに変更した。(本業の方はV時回復したので良かったが・・・)
2社目は責任者の方がいきなり退職して社内に新規事業を進められる人がおらずそのまま話が頓挫した。

そして、言うまでもなく上手く行っているコンサルティングは全て、その会社の為に提案したことだった。

ただし、自分がやりたく無いことはやらなくて良い。
やりたく無いことは体が動かず結果、より多くの喜びを生み出せないからだ。

1の喜びを100人に提供するビジネスモデル
10の喜びを10人に提供するビジネスモデル
100の喜びを1人に提供するビジネスモデル

上記のように色んなビジネスモデルが存在する。
もっとも自分の得意なビジネスモデルを選ぶことが最も多くの喜びを生み出し、より『世の為、人の為に』になるだろう。

ここで間違ってはいけないのは、『やりたいことを行わない』≠『苦手なことを行う』である。
一番、自分(自社)が役に立てることを探すと言うことだ。

多くの経営者は私の話に耳を傾けなくて良いと思う。

自分の代に、ご飯を食べる為なら上記の話を無視しても十分裕福な生活をすることはできるだろう。

しかし、会社をより長く存続させたい。
自分の生きた証をより濃く、より深く刻みたい。と考えるなら非常に上記のことは役にたつだろう。

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