本日はビジネスマンにとって非常に大切な『どこを見て、いつの仕事をするのか?』と言う話。
そして新人から経営者まで全てのビジネスマンに対してそれぞれの立場ごとにお話する。
長い文章になるので目次を見て自分のステップに当てはまる部分だけを読む事をおすすめする。
①どこを見て仕事をするか?
先輩や依頼主から仕事をもらった際に良くある話だが・・・
仕事の質には以下の7つの段階がある。
ステップ1、『自分が納得するレベルで仕事をしてしまう』
ステップ2、『仕事をくれた先輩(依頼主)からのOKをもらう為の仕事をしてしまう』
ステップ3、『先輩(依頼主)のさらに先にいる上司(お客さん)がOKを出す仕事をしてしまう』
ステップ4、『会社が得するにはと言う事を考えて仕事をする』
ステップ5、『最終的なお客さんが喜ぶことを考えて仕事をする』
ステップ6、『最終的なお客さんが喜び尚且つ、会社が得することを考えて仕事をする』
ステップ7、『未来のお客さんを喜び尚且つ、未来の会社が得することを考えて仕事をする』
上記を見れば、ほとんどの人は意味が分かると思うので詳しく説明はしないが1つだけ注意をするならば・・・
それはステップ2から順番に視点をあげて行くと言うことだ。
先輩や上司がOKを出してくれる仕事の内容を知らないと確実にステップ4や6に到達はできない。
また、先人の知恵を使わなければ、ステップ5への到達も遠回りになるだろう。
本当のお客さんを捉えておらず、自分の中での空想のお客さんを喜ばす事ばかりを考えてしまう可能性が高いからだ。
※だからこそ、上記においてレベルとは言わずにあえてステップと読んでいる。
1つずつステップを上がる事が大切である。
②いつの仕事をするのか?
これは時間軸の話だが、これにも以下の7段階がある。
ステップ1、『1つの業務が終わったら次何をするか考える』
→対象:時給で働くような作業者として働く人。
ステップ2、『初めにその日のやる事とスケジュールを組み立ててから仕事に取り掛かる』
→対象:決まったルーティンワークは自分で回せる人
ステップ3、『常に1週間先までの大まかなやる事を決めてから仕事に取り掛かる』
→対象:1人でも部下など面倒を見る人がいる人
ステップ4、『常に1ヶ月先までの大まかなやる事を決めてから仕事に取り掛かる』
→対象:4〜7人の部下を持っている人(もしくは黒字の組織のトップ)
ステップ5、『1年先まで月次の目標を立て常に3ヶ月先まで行動目標を置き仕事に取り掛かる』
→対象:成果をあげられる組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
ステップ6、『3年先を見据えて1年先まで月次の行動目標を置き、自分の組織が滞りなく進んでいるかチェックのみし、自分は1年にやるべき仕事を先に進めておく』
→対象:営業利益で3,000万円以上稼ぐ組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
ステップ7、『10年先を見据えて、自分の組織が滞りなく進んでいるかチェックのみし、自分は3年後のやるべき仕事を先に進めておく』
→対象:営業利益で1億円以上稼ぐ組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
上記に関しては少し説明が必要だろう。
ステップ1、『1つの業務が終わったら次何をするか考える』→対象:時給で働くような作業者として働く人。
→対象:時給で働くような作業者として働く人
これは言うまでもなく指示待ち人間。正直な所アルバイトでもこのステップで働いていない人は結構いる。
このステップの人は、給料の対価を成果を出したからもらえると言うとても当たり前な事が頭に入っていない。
自分の時間を使ったから給料を貰えていると錯覚している。
この誤った認識の人は、人生の半分の時間を失ってしまう。
人の1日はみな24時間と決まっている。寝る時間を8時間と仮定し、仕事の時間を8時間と仮定すると、自分のプライベートの時間は8時間。
つまり、プライベートの時間は人生の3分の1しか存在しない。
仕事は苦しい事と割り切り・・・
その苦しい時間を耐えた時間数だけお金がもらえると。
私から言わせれば仕事がゲーム感覚(責任感は遊び感覚では困るが・・・)で楽しめた瞬間、プライベートの時間は3分の2に増えて2倍の人生を謳歌できる。
良く言われている『仕事』が『私事』に変わる瞬間だ。
自分の休日の過ごし方を先輩や上司の指示で動かないように・・・
日々の業務も自分で次に何をするのか考える事ができる。
※もしも、これを読んで今の自分がこのステップで働いていると感じた人は自分を責めたりする必要は無い。なぜなら日本人の約80%は次のステップ2をやりきれていないからだ。つまり、このステップの働き方をしていても普通なのである。逆に今から話す働き方が出来た瞬間に上位20%のビジネスマンの仲間入りになるだろう。
ステップ2、『初めにその日のやる事とスケジュールを組み立ててから仕事に取り掛かる』
→対象:決まったルーティンワークは自分で回せる人
案外ステップ2が出来ていない人が多い気がする。その日に行う業務を洗い出し業務ごとに必要時間を記入して、実際にその時間内で業務が完了したかを確認する。
これを行うと1つの業務ごとにどれくらい時間がかかるかを把握できる。
実はステップ2のルーティーンワークは自分で回せると言う状態だけなら、1つ1つの業務時間を把握していなくても出来てしまう。
しかし、そのやり方ではステップ3に移行する事が出来ない。
例え、ステップ2を完全にやり切らずに、ステップ3へ移行しても、そこで立てたスケジュールは大幅に遅れ絵に書いた餅になる。
納期の守れない仕事は・・・アートである。
ビジネスとは決められた時間の中で最善を尽くす事だ。
逆に最善しか尽くせない。
自分のイメージした答えに辿り着けなくても時間がきたらそこで形にしなければならない。
この『時間の掟』が頭にない人は。
死んでから名声を受ける芸術家と同じである。
個人的にはそれはそれで悪くないと思うが、その道を進むなら給料と言う対価をもらってはいけない。
※もしも経営層の場合は、この掟が頭に無いのであればお客さんから粗利をもらう権利が無い。
売れない芸術家の方の様に対価をもらわずにその事をやり続けなければいけない。
まさに、人生をかけたアートだ。
ちなみに、少し前の時代の世界1の大富豪である鉄鋼王のカーネギーは鉄道線路へ鉄の提供をすることで世界1のお金持ちにまで上り詰めた。
なぜ鉄道会社はカーネギーの鉄を買ったのか?
それは納期が絶対に遅れなかったからである。
ただ時間を守りきるだけで世界1の大富豪になれるのである。
ステップ3、『常に1週間先までの大まかなやる事を決めてから仕事に取り掛かる』
→対象:1人でも部下など面倒を見る人ができた人
カレンダーを見て1週間先の業務を予定通りに進める際には、自分1人では完結しない事が増える。
他の人の業務が終わらないと自分の業務が取りかかれないという事だ。
逆も然り、その際に他の人の業務の事も考えながら、他の人の業務がスムーズに進む為に「いつまでに?」「自分はどの業務を終えないといけないのか?」そしてそれが実現可能なスケジュールなのか?と言う事を把握しないといけない。
これがやりきれてくると、予定通り仕事を進められるようになる。
予定通り仕事が進められるようになると仕事が楽しくなる。
正直、私は社会人になりこの働き方ができるようになるまで6ヶ月を費やした。
それまでは全て先輩や上司からもらった仕事の納期は遅れ・・・
その遅れを取り戻そうとするが、頭の悪い私にできる事は残業をして時間を多く使う事しか出来なかった。
毎日20時間を働いても全ての業務は遅れた。
人が休み無く1日20時間働くには・・・毎日3時間寝たとすると残された時間は1時間しか無い。
この1時間の間に、食事、通勤、お風呂、洗濯などをこなさないといけない。
これを実現しようと思うと・・・
自分の歓迎会への出席も断り。
朝食と昼食を抜き1日1食で過ごす。コンビニへご飯を買いに行く10分の時間も無いので必然的に1日1食になる。
家には3〜4日に1回帰宅してシャワーを浴びて直ぐに出社。家の滞在時間は20分程度だろう。
家に3〜4日に1度しか帰らないと洗濯物が溜まるのは3週間ほどかかるので必然的に洗濯の時間が節約できる。
しかし、夏場に汗のかいた服を洗濯機に入れっぱなしでいると、カビが生えるので・・・夏場は絶対に洗わない服は洗濯機に入れずに床でもいいので空気に晒す事を忘れないようにおすすめする。
ここで勘違いして欲しく無いのは、こう言ったがむしゃらな働き方を推奨する話ではない。
なぜなら、ここまでやっても・・・納期は守れていないのだから。
ここまでやり切る覚悟があってもステップ3の働き方をしないと納期は守れない。
逆にステップ3の働き方をするようになれば、1日20時間も働かなくてもお昼ご飯も食べれるようになった。
ステップ4、『常に1ヶ月先までの大まかなやる事を決めてから仕事に取り掛かる』
→対象:4〜7人の部下を持っている人(もしくは黒字の組織のトップ)
このステップ4は前項にあるステップ3をより確実にやり切るレベルと考えて頂きたい。
業務を考える時間軸が1週間では実はあとになって初めに立てたスケジュールでは次の1週間の業務に遅れが出てしまう事が多々出てきてしまう。
これを改善するには時間軸を長く持たないといけない。
ステップ5、『1年先まで月次の目標を立て常に3ヶ月先まで行動目標を置き仕事に取り掛かる』
→対象:成果をあげられる組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
このステップの人は、確実に業績をあげる事ができるようになる。
前項のステップ4の人は納期は守れても、その業務をその納期でやり遂げるのが1番良いのかどうかの議論は一切ない。
全ての業務をなるべく早く行う事は出来ても・・・
例えば、新店をオープンする際に、いくら予定通りオープンできようが、その業種の閑散期にオープンしては赤字の月が増えるだけだ。
そう言った季節の流れを見て仕事をすると業績は上がりやすく利益(営業利益)も残りやすい。
ただ、注意しないといけないのは・・・
ここから3ヶ年計画や5ヶ年計画の重要性を全ての経営者や組織のトップ(部長や課長)に等しく強要する人である。
ここもあくまで、これもステップが重要。
ステップ4や5がやりきれない人が3年後のスケジュールを描いた所で何もなし得ない。
その人のステージ毎に大切にしなければならない働き方は変わる。
そして、人は自分を変える際に1つの事に注力しても中々変わるものではない。
ステップ1の人にステップ5の働き方を教えても・・・働き方としては正しいのだが・・・
同時にステップ2〜4を習得しないといけないので頭が混乱しパニックになり空回りし、何も成長しない事が起こる。
(この期間が長いと人は鬱になる)
大切なのは1つずつ成長する事が、実は最速で成長する秘訣なのである。
ステップ6、『3年先を見据えて1年先まで月次の行動目標を置き、自分の組織が滞りなく進んでいるかチェックのみし、自分は1年後に行わなければ行けない仕事を先に進めておく』
→対象:営業利益で3,000万円以上稼ぐ組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
このステップの人の特徴としては、自分では今行わないといけない業務をしなくてよくなる。
その代わりに1年後結果がでるような仕事に専念する必要がある。
この働き方ができると人は小さな労力で大きな成果をあげる事ができるようになる。
またこのステップで営業利益3000万円以上と言っているが会社の中の1事業部のトップの方はその事業として独立し会社を立ち上げた際にどれくらいの営業利益が残るか?と言う事で考えて欲しい。
つまり、先人が築いた売上などによりすでに存在する基盤の売上や営業利益では無く。
新たにその業務により生み出した価値と言う意味だ。
そして、このステップの人は初めてリーダーの人財育成を口にして良くなる。
リーダーの人財育成とはその人に任せておけば自分がこまめに進捗を確認しなくても仕事が進む人を育てると言う意味だ。
リーダーの人財育成を試みた人はならず聞く言葉が・・・
『人は任せた方が成長する』
と言う言葉だ。
しかし、『なるほど!!』と思い実践して見るも実際に部下や社員に任せると業績が悪化するので、ついつい最後は自分が行ってしまう。
自分が尻拭いをすると、その社員は成長するチャンスを失う。
このジレンマに陥り・・・悪化する前に自分でやった方が楽だと人財育成自体を諦めて優秀な社員を雇えないと嘆く。
しかし、現実と言う物は残酷で。
自分の部署で営業利益3000万円稼いで初めて1人のリーダーの人財育成をする権利が与えられる。
そもそも人を育てるなどと言う感覚自体がおこがましいことで。
人を育てることなど出来ない。
ただ、人が育ち易い環境を提供することしかできず、そこからは本人しだいである。
そして、その人が育ち易い環境と言うのがまさしく『任せる(自分で決断させる)』と言うことだ。
しかし、『任せる』とは違う言い方をすると失敗を許容すると言うこと。
つまり、失敗しても耐えうる財力がないと成し遂げられないのだ。
組織論を語る上で、会社の家族も全く一緒。
これを別の話と考えている時点で組織論は語れない。
このことを前提におくなら。
自分の子供が10才になってもお金を稼がないから憤慨する親がいるだろうか?
自分の年収が200万円で子供を10人作る親がいるだろうか?
人を育てるとは財力があって初めて行って良い権利なのである。
ステップ7、『10年先を見据えて、自分の組織が滞りなく進んでいるかチェックのみし、自分は3年後に行わなければ行けない仕事を先に進めておく』
→対象:営業利益で1億円以上稼ぐ組織のトップ(社長、部長、課長、係長など)
会社は営業利益3000万円稼ぐまでは非常に不安定で、そんな先の話を考えるより今を一生懸命生きるしかない。
会社規模として営業利益3000万円までの苦労と営業利益3000万円から1億円までの苦労は同等か、もしかすると前者の営業利益3000万円までの方が大変だろう。
そして、営業利益1億円になると景色が一気に変わってくる。
少し業務改善や新商品を扱うだけで簡単に営業利益が数千万円単位で上昇する。
チャレンジにチャレンジを重ね、またそれが高確率で上手く行く。
ビジネスにおいて実行力をもったと言う意味では本当に楽しくなる時期だろう。
また、上場などの知らない世界の扉も見え隠れしてくる。
しかし、ここで1番大切な事は10年に1度は大不況がくると言う事実。
そして、15年で既存のビジネスモデルは衰退し儲からなくなると言う事実。
そこを見据えて守りながら攻める事が必要だ。
会社は成長する為にあるのでは無く。
存続する為に存在する。
存続さえすれば、組織は勝手に成長する。
ビジネスの世界では急成長した会社がもてはやされる。
成功事例として、色んな人の目に触れる。
ただ、多くの人が見落としている事実。
それは成長意欲がある会社で、30年50年続いてる会社はどこも大きなく立派な会社であると言うこと。
そして、急成長した会社多くは急衰退をしているということ。
急成長は悪ではない。
しかし、もろ刃の劔という事実を認識した上で上手く活用しなければならない。
【最後に本日のまとめ】
色んな人が、あなたの為を思って色んなアドバイスをしてくれるだろう。
そのアドバイスは十中八九正しいだろう。
しかし、タイミングまで正しいとは限らない。
誰からアドバイスをもらったらそれは正しいと過程した上で、今の自分にとって正しいのか?
これは自分で見極めなければならない。
『正しい努力』をt『正しいタイミング』で行い、ビジネスと言うゲームを謳歌してもらいたい。