2014年1月27日
みなさんは、『エル・ブリ』と言うレストランをご存知だろうか?
スペインにあった三ツ星レストランでイギリスの雑誌『レストラン』において5度の世界1のレストランに輝いており、50席しかないレストランに年間200万人の予約が殺到する事から世界1予約の取れないレストランと呼ばれている。※残念ながら2011年7月30日 閉店
更にこのレストランの特徴としては、営業期間が年間で6ヶ月間しか存在しないと言う事。
そして、残りの6ヶ月間は来年の新作料理の開発に費やしていると言う事。
私がよく申し上げているお店の力である『商品力』『売場力』『集客力』『接客力』のうち完全に『商品力』だけで勝負しており、しきっているお店と言える。
まさに、一番理想的な『商品力集客』が出来ているお店だ。
そして、更にこのお店特徴は、世界で見たことも無い料理を提供し続けると言うコンセプトを貫くために、調理に液体窒素を使用したりとこれまでの料理の概念を完全に超えている点である。
この様な話を聞いて、私はこの店の料理長フェラン・アドリアに興味が沸き過ぎ、そこで、映画「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」と言うドキュメンタリーを見ることにした。http://www.elbulli-movie.jp/
このドキュメンタリーはレストランを休業し新たな料理の開発に密着したものだ。
※是非『0→1』を生み出す側に回りたい人はこれを見て欲しい。
ここからは、私が驚いた点を列挙させて頂く。
《エル・ブリの凄い所》
①徹底的なリサーチ
②味より驚きを優先
③圧倒的、短期間での創造
①徹底的なリサーチ
6ヶ月間の5ヶ月はリサーチに時間を使っていたと言う点だ!
リサーチとは、様々な『食材と食材の食べ合わせ』や『調理方法』をひたすら実験する事を指す。
そして、面白いものに出会うと料理長のフェランは、弟子に『これの考えられる調理法をリスト化しろ』や『この食材の組み合わせをリスト化しろ』と指示する。
そして、その実験の結果その食材の組み合わせや調理方法がある程度の形になれば直ぐにリスト化を行い。そのまま放置しておく。
②味より驚きを優先
外部のソムリエの人が訪れて味見を行い、味について改善点を述べた際に調理長のフェランから『味はどうでも良いよ!それよりも驚きが重要だ!美味しい味はあとから何とでもなるから・・・それよりも今は驚きを探してるんだよ』と一喝されているシーンがあった。
このレストランのコンセプトは『世の中で見たことも無い料理を提供する』と言う事。この約束を守り続けているからこそ世界中から支持され続けていた。
③圧倒的、短期間での創造
新作の料理は普段使用しているレストランではなく、開発専用の場所がバルセロナにある。
このバルセロナでは、主にリスト作成のみを行い。
その年の開店2~3週間前に普段使用しているレストランに戻り、そこから最終的にどの料理を出すか?また味付けはどうするかを決める。
ドキュメンタリーでは、開店の日に1品の味付けが固まってない状態だった。
よく誤解されがちなのは、時間をかければ良い物が作れると勘違いしている人が多い。
これはネットショップの売場作りでも言える事だが絶対的に短期間で作った方が良い物が出来る。
時間をかけると、アイディアが継ぎ足し、継ぎ足しになり、全てのアイディアの整合性が保ち難い。
従って、短期間で創りきって整合性の整ったもの方が完成度の高いものが出来上がる。
ここで間違えて欲しくないのは、『リサーチ』と『実際の創造』を区別しなければならないと言うこと。
要するに、リサーチには時間をかけるが、実際の創造は短期間が理想と言う事。
もしも、もっと良いアイディアが浮かんだ際は、また一から作り直す事を行わなければならない。
※この考え方は、フェイスブックのシステムエンジニアの人も言っており、凄く共感した事を覚えている。
あまりに話があちらこちらに言っているので最後にまとめたいと思う。
『エル・ブリ』と言うレストランは、『世の中で見たことも無い料理を提供する』と言うコンセプトを守るために、アイディアと言うまぐれを全て排除すべく、圧倒的数のリサーチと言う名の『トライ&エラー』を繰り返す事により、圧倒的ブランディングを確立し世界中から支持を受け続けていたと言う事。
ビジネスは、まぐれではいけない。
センスが良いなどの言葉を使ってしまう企業は、どこまで行ってもギャンブルだ!
本日伝えたい事:『フェランも太っていたので安心した。真剣に働いている人は太るようだ!って違うかぁ!笑』