2013年6月11日
第3章『業績を上げる社員の作り方』
3節:私が行った具体的行動。
【業績の上げ方を聞く】
この業績の上げ方を聞くという行為の真の意図は、『興味を持ってもらう』と言う部分が大きい。
実際に『業績が上がるための提案』が社員さんから出てくるのは、最低でも1年ほど聞き続けなければならないし、それでも出ない可能性も少なからず存在する。
もちろん、私が『どうすれば業績が上がると思いますか?』と尋ねると、社員さんからは何かしらの返答は返ってくる。
やはり、日頃業務に携わっているだけあり『お客様からはいつも○○して欲しいと言う声があるので、○○をすれば喜ばれると思います。』と言う様な話は頂く。
しかし、これはあくまでアイディアだ!
実際の提案には至っていない。
ここで、私の定義における『アイディアレベル』と『提案レベル』の違いをお話しなければならないだろう。
※これからお話する定義は、支援先の社員さんには話さないお話だ。あくまで私の後輩に話している内容である。
私の後輩は皆、頭のいい優秀な人達である。
従って、支援先に連れて行っても直ぐに『こう言う場合どうすれば言いと思う?』と質問すると、非常に発想力豊かな回答が返ってくる。丁度以下の様なやり取りで!
優秀な後輩:『○○すれば、□□になるので業績が上がると思います』
嫌味な先輩『どっから、○○と□□が繋がると言う答えがきたん?』
優秀な後輩『・・・○○すれば、お客様は××と思うので、□□の行動を取ると思います』
嫌味な先輩『だから、その根拠は?お前の語尾、全部『思います』やんか!全く同じじゃなくても良いから何か事例はあるん?』
優秀な後輩『・・・・』
嫌味な先輩『そもそも、お前の言う通りに成ったとしよう!けど、それをする事が今、最も業績上げる最善の策なん?』
優秀な後輩『最善かどうかは分からないですが、業績は上がると思います。』
嫌味な後輩『他の方法では上がらへんの?』
優秀な後輩『・・・・・・』
嫌味な後輩『要するに、お前の話はアイディアレベルなんやって!その場で思いついた事を話しているだけやん。本当に最善かどうかはどこにも答えは無いけど・・・せめて業績の上げ方を成るべくもれなく考えた上で、今何をするのが一番効果的か言えて初めて提案レベルやと思うで!』
嫌味な先輩『その、もれなく考える方法が『商品力の視点』『売場力の視点』『集客力の視点』『接客力の視点』っていつも話してるやん』
と言う会話が帰りの電車の中などで繰り広げられているのだが・・・・
さすがに、このまま支援先(クライアント)の社員さんには言えない。
せっかく出した自分のアイディアをここまで否定されては今後アイディアを出す事自体に抵抗を覚えてしまうからだ。
もちろん、私も全ての後輩にこの様な話し方を出来るわけではない。
ある一定の関係性がないと出来ない話だ。
従って、支援先(クライアント)では社員さんから出たアイディアを成るべく採用しつつその他の私からの提案を混ぜ、それから理由と共に優先順位を説明する事により少しずつ、業績の上げ方と言うものを構造的に学んでもらう。
そして、初めは支援先の社員さんも私に聞かれて初めて考え出すのでアイディアしか生まれないが、毎月聞かれる事が分かってくれば日常業務から『業績の上げ方』について考えだすようになる。
この『業績を上げる方法』について興味を持ってもらうと言う所に最大の狙いがあるのだ。
しかし、この様な回りくどい事をしているとやはり、最低でも1年以上はかかってしまう。
それでも仮に2年でも3年でも、この『業績を上げる方法』について興味を持った社員さんとはその後、会社にとっての宝物になる事は言うまでもないだろう。
次は『世の中の凄い人達の話を伝える』についてお話いたします。
本日伝えたい事『宝物の様な社員さんは私ですら、愛犬の様に愛おしい。社長はどれ程愛おしいだろうか?』