2013年5月23日
第3章『業績を上げる社員の作り方』
2節:自立への方程式
【理想の組織体系とは?】
理想の組織体系とは・・・この問いに答えがあるのかがそもそも疑問が存在するが、あえて答えるとするのであれば、それは、1人1社と言う形ではないだろうか?
『分社ある経営感覚』と言う30年近く前に書かれた本が存在する。
その本では、分社こそが組織を活性化させる最善の策であり、人を育てる最強の環境だと提言されている。
この本を書かれた酒井 邦恭さんには直接あった事も無いのでどの様な方かはこの本を通してしか知らないが、概念的には非常に共感を覚える。
実際に、私がこれまで見てきた自立型の社員さんの組織は、みな小規模である。
会社自体は大きくても、新規事業部として、完全に別に扱われている所だ。
更に、独立採算と言う考えを持とうとしている。
実施には、新規事業だけあり立上1年間は短月黒字にするのも難しい。
毎月赤字の時点で、その担当者の方の給料は別事業部がまかなっているのであるが、その事を確実に自覚している。
『自分たちが、迷惑をかけている』と言う感覚があるし、負い目をしっかりと感じている。だから、給料が安くてもハングリーさが植えつけられている。
この『分社ある経営感覚』では、本部経費と言う考え方すらいけないといっている。
経理や総務を本部で一括に持つ事によりコスト削減をすると言う極当たり前の発想であるが、それがいけないと言っている。
それは、独立採算の感覚が鈍ると言う事だ!
そう言われれば、私が所属している船井総合研究所は、『大阪本社』『東京本社』と言う訳の分からない呼び方をしている。そこで入社当時に、『なぜ本社が2つ存在するのですか?』と言う私の問いに『両方に総務や財務などの本社機能に必要な部署が存在するかだよ!』と説明された事を思い出した。
そして、更にうちの会社を見わたして見ると、『分社ある経営感覚』にて提言されている理想の組織体系にかなり近い気がする。この様な視点で再度、船井総合研究所と言う会社を見渡してみて面白い点を以下に羅列したいと思う。
①社員1人1人が独立採算
営業職であれば上記内容はやり易いと思うのだが、船井総研の場合は、スタッフ社員1人1人にも予算が存在する。そして、自分の予算を達成すらためにコンサルタントに対して、『これだけのサポートをするから○○円下さい』と言う交渉を行うのだ。
さすがに、スタッフさんは会社から何をすればいくらと言う基準を与えられているので我々に価格交渉権は存在ぜず・・・言い値で仕事をお願いする事になる。
②社内発注が細かい
例えば、私のクライアントの仕事の1部分をさらに専門家のコンサルタントにお願いする際はもちろんだが、私でもできるのだが時間的に難しい仕事を後輩の社員にお願いする際でも、お金を払わなければ成らない。
感覚で言えば、『ちょっとコピー取ってきて!』と言うのでもお金を払わなければ成らない。
これは、少し極端な話だが、実際にこのコピーの時間が10時間など、時間がかかるのであればお金のやり取りが発生する可能性が容易に考えられる。
だから、船井総研にはお茶を入れると言う習慣が無い。基本的にはどれだけ役職が上の人でも自分で入れる。
まぁ、とは言うものの後輩にお願いする際はかなり力関係からよる価格交渉力が発生
するが・・・。
③組織を自分で決められる
部下は上司を選べるし、上司も部下を選べる!
この発想は奇跡的なものだと思う。
しかし、実際の企業で考えれば、社員を選ぶのは当たり前の事だし、どの会社に勤めるか選ぶのは当たり前の話だ!
1人1人が、個人事業主と考えれば当たり前と言えば当りえの話なのだが・・・
この様に、いかに社員1人1人を自立させるかと言う組織面での工夫が至る所に見受けられる。
しかし、この様な組織がこれを読まれた人の会社で直ぐに導入できるか?
それは、かなり難しいだろう!
そもそも、既存の社員さんはみなその様な組織だと思っていないから入社しているのだから。
しかし、そんな事ばかり言い出しても切が無いので、この辺で一般論での話をしたいと思う。
要するに、ピラミットの階層を少しでも少なくすればするほど、自立心という物が育まれ易いと言う事!
そして、どこまでの決裁権を与えるか?
つまり、どこまでの事であれば事後報告でも良いのか?
次は『社員・部下に与えなければ成らない情報とは?』についてお話します。
本日伝えたい事『後輩は、バングラディッシュ以下の金額でこき使える!(にやり)』