2013年5月19日
第3章『業績を上げる社員の作り方』
1節:自立するまでのスピード
【権限委譲の度合いと給与体系】
売上が昨年対比1000%以上と言う急成長をしている会社の社員はみな、新卒ないしは、ほぼ新卒に近い状態から1年半以内に自立している。
これは、非常に早いと思う。
そもそも、絶滅危惧種の自立社員を保有する企業は、国単位で言い換えれば核保有国に匹敵する戦力だろう!
ここで話を少し変えたい。
以前、沖縄の黒砂糖菓子メーカーにヒアリングに言った時にその会社の社長がこの様な事を話してくれた。
『うちの会社は社員が、自分たちで全部やってくれるから今本当に楽なんですよ。だから、悩みも無いので本当に今が楽しい。しかし、この状態になるまでに23年かかりました。それまでは、毎日怒鳴り散らしていました・・・』
怒るには非常にエネルギーが必要だ。
そのエネルギーを23年間7000日(年300日計算)も放出し続けて手に入れた自立社員。
そんな物だろう!
それ程、自立社員を保有するのは困難な事なのだ。
そして、この会社も含めて、自立社員を保有している企業、全てに言えるのは、『自由』が存在する。ここでの自由の定義は、『一定の意思決定を各社員が行える』と言う意味だ。
すなわち、権限委譲が行われていると言う意味である。
権限委譲をしたから社員が育つのか?
社員が育ったから徐々に権限委譲を行えたのか?
自立社員を保有するには、上記2つのどちらの方法でも結局、権限委譲を行えば保有できると思う。
ただ、1つ言えるのは、初めに話した1年半以内に保有している企業は全て、『先に権限委譲を行っている』と言う事実が存在する。
黒糖菓子メーカーさんがどちらの方法をとったか私はそばで見ていないので分からないが・・・毎日怒っていたと言う言葉からは後者の『社員が育ったから徐々に権限委譲を行えた』可能性が高いのではないだろうが?
その速さは約20倍。
この一例だけ見て、先に権限委譲をしたら20倍早く人は育つとは決して言えないが、確実に早く育つのは言える。
つまり、今の社員さんの力を信じられなくても、未来の社員さんの力を信じて権限委譲しなくてはならない。
この社長の信じる力がかなり、社員さんの育つ速度に影響を与えているのは確かだ!
しかし、『先に権限委譲を行う会社』にも自立するまでに早い遅いが存在する。
それが、給与体系だ!
私が目の当たりにした自立社員保有企業の中で最も早かった企業は新入社員が入って半年である。
その会社には、残業と言う概念が存在しない。
全てサービス残業。
しかし、この会社の社員さんは皆やたらと働く。
24時までとかザラに働く。
すると、以下の様な奇妙な喧嘩が社長と社員さんとの間に行われた。
《社長と社員の言い争い》
先日私の支援先に言った時、社長と従業員さんとで以下の様なやり取りが繰り広げられた。
社長:『お前ら働きすぎや!』
その言葉に対して社員(25歳のうる若き乙女)さんが
社員さん:『社長!そんな事言っても、業績上げろって言うくせに働かなくて、どうやって業績上げるんですか?』と反論!
社長:『そう言っても、毎日の様に女の子が夜中の12時超えてメールのやり取りしてるのは普通じゃないやろ!次の日に支障がきたす。しっかりと休養を取って次の日の昼間の能率を上げて業績を上げろ!それに、そんな働き方されたら新しい人が入ってこれない。それでは会社は大きくならない。』
社員さん『そんな事言っても、何すれば良いか明確に分かっていて、それを行うには絶対に時間がかかるんですよ!それなら、今頑張って早く目標の業績まで持って行った方がこっちも気が楽なんですよ!』
上記の様にお互いの言い分は平行線をたどっていたので私が仲裁に入ったのだが、この2人のやりとり非常に奇妙だと思わないだろうか・・・・
全く言っている人がアベコベの様だ。
普通は社長から『もっと働け』と言う言葉が発せられて、社員から『そんなに働けない』と言う言葉が出るはず。
《『がじログ』2013年2月28日引用》
なぜこの様な奇妙な言い争いが行われたのか?
それは、社員さんが自立しているからなのだが!
それにしてもなぜ、ここまでして社員さんは働くのか?
この会社では、利益の○○%は社員の給料に割振ると社長が公言している。
そして、社員さんは皆、どれだけの利益が毎月出ているのかを自らが計算して社長に報告しているので、全て把握している。
かなり話がダラダラと続いたのでこの辺でまとめよう!
『権限委譲の度合いと給与体系が大切』・・・題名のまんま(笑)
次は『自立への方程式』についてお話いたします。
本日伝えたい事『核はあかん!』