9月7日
先日あるお菓子メーカーの社長にであった。
最近、面白い人に出会い過ぎているがこの方もその一人だろう。と言うか私に似ている部分があまりにも多くテンションがブチ切れそうになった。
この社長の面白い項目を以下に書きたいと思う。
①売上予算・利益予算が存在しない。
②営業や商品開発は全て女性のみ。
③会議は一切行わない。
①の売上予算・利益予算がこの会社にはここ25年間一度も存在していないそうだ。これが無い理由としては予算に縛られて仕事しては楽しくないからとの事。しかし、経営を行うにしても必ずと言って良いほど波はくるはずでその様な厳しい時期にも予算を組みたく無いのですか?と聞くと。
『そんな時が一度もきた事が無いから・・・』と仰る。
②『営業や商品開発は全て女性のみ』これに関しては昔は男の人ばかりだったそうなのだが買ってくれるお客様がほとんど女性なので女性の気持ちが分からないと仕事ができないと言う理由から全てお客様とかかわる部分は女性にしているとの事。
③『会議は一切行わない』これは上記の女性ばかりと言う事からきているのだが基本的に女性が会議と言う形態を好まない所から来ているそうだ。だから、週に2回社長がケーキを買ってきてみんなで雑談をする会を設けているのだがその際に女性社員同士が話している話を社長がヒントにすると言う形式をとっている。この方法は他の女性が多い職場の社長も採用されていたので女性には非常に適した会議体系なのかもしれない。
この話を聞いて私は、『週に2回もケーキが食べられてうらやましいですね』と言うと社長は『こんなもん安上がりや!たかが300円で女性は心を開いてくれる。それに比べて男性は飲みにいかないといけないので飲み代+2~3時間の時間が必要だからね。』と話してくれた。確かにそう言われてみるとである。
ここまでこの社長の特徴的な部分をご紹介してきたがこれはあくまで社長の上辺であり本質的な魅力には一切迫っていない。
つまり、ここからが本題に入るのだ。(長いか?)
なぜ、社長は予算を立てなかったり会議を行わなかったりできるのか?
その答えは一つだと思う。それは『自信』これ以外の何物でも無いと思う。
社長は一度も経営が苦しくなったことが無いと仰ったがこれをそのまま鵜呑みにはできない。一つだけゆるがない事実としてはこの社長は経営が苦しいと一度も感じたことが無いというだけである。
つまり、他の人ならもしかすると押しつぶられているかもしれないと言うことだ。
経営の神:阪急の創業者『小林一三』東急の創業者『五島慶太』松下電器の創業者『松下幸之助』この三人に共通していることは記者から『何故この様な成功を収められたのですか?』と言う質問に対して全員『私は運が良いからですよ』と答えている。
この3人が本当に運が良かったかは、分からないがこの3人にも言える事は全員『自分の事が運が良いと感じている』と言う事実。
これがあるからこの社長も自分は絶対にうまく良くと思えているので予算を組まなくてもやっていけるのだろう。そして、予算が無いがために自分の仕事に集中できている。
また、もう一つのこの社長の凄みは『女性社員の扱い』(言葉使いは勘弁してほしい)である。
ここの女性社員はみな『社長は私たちの気持ちが分かってくれているし、やりがいも与えてくれる』と話してくれた。
上記の事について社長に質問すると、『彼女らの気持ちなんて分かるわけなやろ!しかし、私は女性の立場は分かる!立場が分かれば理解はできる。これだけの事。そして私が立場がわかるのは以前に自分の娘を亡くした際に世界が全てモノクロになった。父親の自分でもこれだけのショックなのだから母親は子供が病気なだけでも相当心配になるし仕事も手に付かないのも分かる。しかし、仕事はしなくてはいけず帰れば主婦もこなさなければならない。この様な立場が分かれば理解はできる。』
『あと、やりがいの与え方は特に意識していないが、恐らく、小さな成功でも一緒本気で喜んでいる事かもしれない。しかし、この際に計算は通用しない。自分が本当に喜んだ時に喜ばないと見抜けれてしまう。そして、女性に対して気を使わない事。時々銀行の頭取とかが均等に女性社員に声をかけるように心がけている。とか言っているのを聞くが、アポくさい。そんな事は社長の仕事ではない。だから、以下にナチュラルに接するかを心がけているし、本気でぶつかっている。これが良いのかも知れない』
上記の娘さんの話を聞いた際には思わず泣きそうになった。恐らくカメラが回っていれば泣けただろう。
やはり、この社長には魅力がたっぷり存在するがそれはこの様な人生レベルの深みが大きく関係している。
本日伝えたい事『この社長は半端なく可愛い過ぎた』(怒られるで・・・)