大手の成功事例は延命治療?

2012.04.22

4月22日

本日は皆様ご存知バングラ山口氏のチャリティー講演会の手伝いに行った。山口氏を知らない非国民な方へ簡単に説明すると元船井総研で私に一番最初に仕事を教えてくれたツワモノ!現在は日本のアパレル企業とバングラディッシュのアパレル工場との架け橋として飛び回っている方で日本で最もバングラに詳しい方(ローラさんより詳しいかも)である。

山口氏の会社ホームページhttp://www.onepi.co.jp/

その講演では、なぜビジネスをする上でバングラを選んだのかや現地人の肌の色に似ていて得したエピソードなど涙あり笑ありの90分間であった。(最後は全員でスタンディングオーべーションで幕を閉じた講演だった)しかし、本日の話はここが主ではない。この話は絶対山口氏に直接聞いた方が良いので・・・

本日の話はその講演会で出会った、縫製工場の社長さんの話し。

この縫製工場さんでは、空手などの道着をメーカーからのOEMに応えているそうだ。空手のメーカーへの卸額の市場は約8億円でその内この会社様が1~2億円を担っているそうだ。

今回この講演に来た理由は、現在道着の生産は技術的に労働集約型なため海外で行っており最後の『名入れ』や『裾あわせ』を国内で行っているそうだ。この『名入れ』や『裾あわせ』も技術と言う面ではなくリードタイムと言う面で国内で行っていると言う理由らしい。そこで本体の道着をさらに安い所で生産できないかとバングラに目をつけているそうだ。

そこで、私はその経営者さんに質問した。

『リードタイムの問題が海外が解決する事はありえないのですか?解決したらどうするんですか?』と言う問いに対して

その方は『全ての工程を海外に移して日本も一顧客を言う視点で世界を相手に販売していく』

『なるほど、メーカーや海外のOEM受注工場が同じ戦略をとってきたらどうするんですか?』

『・・・・』

『メーカーや海外のOEM受注工場の資本力ってどれくらいあるんですか?』

『分からない』

この方にも伝えたが仕入先を常に品質・価格の面で見直す事は絶対必要な企業努力だと思う。しかし、この様な戦略だけで経営すると結局最後に物を言うのは資本力になる。(国内だけであればメーカーも8億の市場に本気を出す可能性は少ないが・・・)もしも、道着の世界で仮にこの売上1~2億円の企業が資本力の上で大きく他社に差を付けているのであれば話しは別だが・・・一応他の企業の資本力を調べた方が良いですねと伝えておいた。

価格だけでいくと、この企業に頼まなければならない理由が非常に不安定になる。

また視点を変えてこの様な質問をした。

『強くなる道着って作れないのですか?』すると競泳水着と同じで世界的潮流として道着などで能力に差が出ないように規定が厳しくなってきているので非常に難しいそうだ。

しかし・・・

ここで、話を題名に戻すとやはり世間に出回っている成功事例の情報は大手企業の成功事例が非常に多い気がする。SPAだの生産地の移転だの。

しかし、重要な事はその成功事例が資本力が無くても出来る事かどうか?もしも、資本力が必要であれば逆に言えば資本があれば誰でも出来てしまうという危険が伴う。

逆に資本力が必要でなければ、その様な情報が存在すれば皆まねするので基本的にはその様な情報は世間には回らない。これが知的財産(コーラのレシピ)。

極論、中小企業が新聞・TV・インターネットの情報を元に経営の舵を切る事自体が危険と言う事がいいたい。※本当に極論なんで鵜呑みにしないで下さいね。

本日伝えたい事『バングラ山口のアクセントは『バ』である。』

 

 

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