ゲーミフィケーションと言う聞きなれない言葉が存在する。
これは、人がゲームに熱中する仕組みをビジネスに応用するために体系化された手法の事を指す。言葉は新しいですが実は既に皆さんも何かしらのゲーミフィケーションを使っていると思う。
例えば、本日のＴｏｄｏリストを作成し、それを達成し次第チェックをつけて行く行為やカレンダーにイベントまでの日数をカウントダウンして気持ちを高めるなどビジネスと限らず日常の事でも使用していると思う。
この様な細かいアイディア等を体系化したのが『ゲーミフィケーション』である。
そこで、本日はこの間行った飲食店で見られた『ゲーミフィケーション』についてご紹介します。
そのお店は『八代目 儀兵衛』http://www.hachidaime.co.jp/と言う京都の四条にあるお店です。飲食店としてはまだ２～３年程度しか行っていないですが元々はお米屋さんで年貢米以外で米の流通が許可された時からずっと米屋さんを行っているそうだ。
『ゲーミフィケーション』はさておき、このお店のメニューには『本当に美味しいお米を一人でも多くの人に届けたい』と言う文章が書かれている。この文章を目にした時点で勝負ありといわざるおえない。例えそのお米を食べ甘く感じなかった人がいても恐らくその人は甘く感じるまで噛み続けるだろう。『自分が味覚の分からない馬鹿舌』と言う事を認めないためにも。
やっと、『ゲーミフィケーション』の話であるがこのお店はご飯のお代わり自由であり客は以下の様な順序でお変わりをする。
1杯目は普通の炊き立ての白いご飯。
そして、2杯目を頼むと１杯目には無かった『おこげ』が付いてくる。
そして、３杯目は一個150円もする卵にて卵かけご飯にして食す。
この段階を踏んだ客は恐らく自分の周りに以下の様な口コミを起すだろう。
『この間、お米屋さんが米はもちろん炊き方などにもこだわってやっている料理屋さんに行ったのだけど、凄く良かったざます！本当のお米の甘みを体験できたざますよ。私なんか普段は1杯しか食べないのについつい３杯も食べてしまったざます』
この客は事実だけを述べている。だからこそ影響力がある。
しかし、この事実は実は少し作られたものでもあるのだ。この八代目 儀兵衛さんはそこまで意識していないかもしれないがこのお店に隠されている仕組みをゲームの世界では『アンロック』と言う。少しづつ制限がなくなり出来る事の幅が広がるという仕組みだ。
マリオで言うと初めはジャンプしか出来なかったがそのうちファイヤーボールを出せるようになり空まで飛べるようになる。と言う仕組み。
このお店では1杯目は出された炊き立てのご飯を食べるしか仕方が無いが周りでお代わりをしたものに『おこげ』が入っているのを見て『おこげ付き』が可能と言う事を知る。
これと同じような動きが卵にも行われる。もしも、客が卵の存在に気付かなければスタッフが一言『うちに着たからには是非、卵ご飯を食べて帰って下さい』と言えば済むだけの話。
少しづつ難易度が上がると言う面では算数の授業も同じであるが、この『アンロック』との一番の違いは算数の場合は少しづつ難易度が高い問題を解かなければならないと言う義務を伴う点であり、『アンロック』は少しづつ難易度の高い行為を行えると言う義務を伴わない点である。
この『アンロック』を使いこなすには『どの段階で』『どれくらいの事が可能』かと言う所が非常に大切でこの手法をレベルデザインと言い。ゲームの世界ではこのレベルデザインだけをする『レベルデザイナー』と呼ばれる専門職の方が居られるそうだ。
恐らく、今年か来年にはこれらの『レベルデザイナー』達がコンサルタントそしてビジネスの世界に進出してきても何も不思議ではない。
ちなみにこの『八代目 儀兵衛』の『アンロック』はあくまで表面のテクニックであってホームページを見てもらえば分かるように様々なこだわりの元しっかりとした商品力があるがゆえに成り立っているものなのでその辺は勘違いしないように願いたい。
本日伝えたい事『レベルデザイナー・・・ハイパーメディアクリエーター以来の衝撃！！』
