2月3日
二日前に福山のデニムメーカーである。『カイハラ』と『坂本デニム』と言う会社に取材に行った。どちらも創業100年以上の企業で日本有数のデニム生地のメーカーだ!
取材と言ったが厳密に言うとただ、デニムの本質でな価値とモノづくりの精神を聞きたかっただけで、いきなり電話して『ネット通販はただ商品を置いておけば儲かる時代はもう終わりこれから今まで以上にモノづくりの大切さが見直されていくと感じているので是非、御社のモノづくりの精神をお聞かせ下さい』と本気で頼んだらカイハラ様は会長が直接時間を取って頂き、坂本デニム様の方は社長が直接時間を取って頂けた!
両社のイメージを一言で言うと『マーケティングのカイハラ』と『技術の坂本デニム』と言うのがしっくりきている。
詳しくは、Gパンの歴史と各社の歴史を語らなければならなので今回は割愛させて頂くが両社の共通の課題とその対処方法と共通のテーマを今回はご紹介したい。
まずは課題だがこれは両社と言うよりも日本の製造業のほとんどが直面している円高による輸出量の激減である。
これまで、日本のどの製造業も必死に技術を向上させて成長してきたが今回の様な外部環境による実質1.5倍の値上げ(1ドル120円→80円)に対してのむなしさは想像を絶するものがあると感じた。(やはり、新聞やテレビ上での数字を見て理論的な厳しさを理解するのと現場の方のこれまでの歴史を聞くのとでは異質なものである)
この1.5倍の値上げの状態で物を売ろうとすると方法は2つしかない。1つはコストダウンによる値下げと技術の更なる向上による高付加価値しか存在しない。
そこで、カイハラが行ったのは機械化によるローコストオペレーションによるコスト削減!更に凄いのはこの機械を全て自社の社員が手作りで作っていると言うことだ。労働集約型になり易い製品作りにもあえて取り組みGパンを染色から製品まで一貫して製造している。
そして、坂本デニムが行ったのは技術向上による環境対策によるコストダウンと高付加価値である。坂本デニムは、元々は糸の染色から製品化まで一貫して行っていたがどうしても労働集約型になり易い製品作りからは撤退し、現在は染色から生地生産までを行っている。更にコスト削減の為に取り組んでいた事が環境にもやさしいと一流メーカーからは評価を得ており高付加価値にも繋がった。
そして、両社の代表が揃って大切にされていたことは自分たち製造業は雇用機関としての役割があると感じられている所である。
坂本デニムの社長がこう仰った『現在、円高でどこも厳しいが安易に海外に行って欲しくない!技術の流出もそうだがこのまま貿易赤字が続けば必ず円安になる。しかしその時に日本に1製品をつくる工程のどこか一部分でも存在しなくなれば、その製品の製造は出来なくなり結局日本から製造業は失われ雇用が生み出せなくなり内需が落ち込み5年や10年後には中国や韓国の人に貧乏人扱いされている可能性も非常に高い』と言う。
これは、何も現実離れした悲観的な意見ではなくむしろ現場のリアルな意見だと思う。
そこで、坂本社長は現在生産地と言うのを大切にしようと地域のデニム製造関係者との関係を強める動きを取られている。
さらに、両社とも方法は違えども各々の努力で商品力を高めた結果海外から多くの視察が来る企業になっており、国内に居りながらにして非常にグローバルな会社であった。
追伸:坂本デニムの女性従業員全員が美し過ぎる!女性従業員は皆ナチュラルメイクかスッピンのどこの田舎にでもいる服装をした方々なのだが立ち居振る舞いがあまりにも美しいので全員が本当に美しい!
本日伝えたい事『ブルーカラーなめんなよ!ホワイトカラー!』※ブルーカラーの言葉の語源が昔作業着がデニムで作られていた事から来ているそうだ